うちのお店の場合、夫が事業主、私は青色専従者です。
税金対策で名前だけ…なんて怪しいものではなく、フルタイムでガッツリと働いています。
夫婦で同じ資格を持っているのですが、もらってる専従者給与は安いです。
おまけに全部、生活費に消えてしまいます。
なので、お小遣い稼ぎと老後にも続けられる趣味とを兼ねて、空き時間にできる副業を始めました。
青色専従者の副業は可能か?
青色事業専従者は文字通り「事業」に「専従」しているので、他に仕事をしてはいけないのでしょうか?
青色事業専従者給与として認められる要件については、国税庁のサイトに記載があります。
- 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
- その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
- その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。
年間に50%を超えて事業に従事していれば、パートに出るなど他に仕事をしても問題ないのです。
例えば、週に5日専従者として働き、休みの日に他の仕事をしても問題ありません。
でも経理事務で専従者給与をもらっていて、週に3日パートに出たりすると専従者として認められない可能性があります。
実際に勤務している時間が半分を超えているかどうかが重要です。
ネットの副業も所得税の申告が必要
フルタイムで専従者として働きつつ、夜中など空き時間に副業するのは問題ないだろうと始めました。
副業の内容は内緒ですが、メルカリ、ヤフオク、アフィリエイト、せどり…このあたりのです。
そんなに甘い世界ではないのだけど、何もしないよりはと始めました。
ところが、月に数千円~1万円程度のお小遣いになれば…と思っていたのが、予想外に好調です。
税金を払う心配が出てきました。
他に給与をもらっていて副業をする場合、利益が年間20万円を越えると確定申告の必要があります。
専業主婦などで、他に所得がなければ、年間60万円を超えたら申告します。
その年かぎりのものなら、雑所得で申告すればよいです。
副業で予想以上の利益が出てしまい、税金でいくら持って行かれるのだろうかと、少々焦っています。
わたしの場合、副業に継続性があるので、個人事業として青色申告すれば、かなり節税になりそうです。
青色専従者は副業で個人事業主になれるのか
最近はサラリーマンでも副業される方が増えているようですね。
サラリーマンが副業で個人事業主になる例は珍しくありません。
サラリーマンが個人事業主になれるなら、同じく給与所得者である青色専従者も個人事業になれるのでは?
そう思って色々調べても、青色専従者が個人事業主になったという話は見つかりませんでした。
でも、わたしの場合、青色専従者と個人事業主、どちらの要件も満たしています。
レアケースだけど、いけるのでは? 開業届を出すことにしました。
「青色専従者だけど個人事業主になりたい」税務署で相談
税務署は怖いところではありません。
相談すれば親切に答えてもらえます。
可能なら提出するつもりで書類を準備して行きました。
- 個人事業の開業届出書
- 青色申告承認申請書
自分ひとりの事業なので、税務署に提出する書類はこの2点だけです。
青色専従者なんですが、個人事業の開業届出書を出したいです。
と相談すると、専従者をやめると思われてしまいました。
なので、状況を詳しく説明しました。
- 青色専従者として、今後もフルタイムで仕事を続ける。
- 空き時間の副業も継続するので、個人事業にしたい。
ここで税務署の職員さんに次のことを聞かれました。
副業の利益は20万円を超えていますか?
ひと月に20万円!?と思ったら、年間20万円でした。
それは軽く超えていると話すと、あっさりと開業届けを受理されました。
ただし、注意点がありました。
青色専従者として、本当に半分を超えて仕事をしているか確認されるかも知れません。
なるほど。
この点に関しては、年間300日近く勤務していますから問題ありません。
ということで、青色専従者が個人事業主になることは可能でした。
ただし、半分を超えて専従者として仕事をしていることが条件です。
50%ではダメです。50%を超えないといけません。
50%を超えていないと、専従者給与が否認されて夫の税金が高くなってしまいます。
青色専従者の副業で気をつけるべき点は、専従者として認めてもらえる範囲で副業するということです。
この範囲で、家計を助けるため&趣味のため、副業に励みましょう。
※税務署のあと、県税事務所と市役所にも開始届を提出しました。
コメント
cocoさんへ
お問い合わせへの答えをこちらに書きますね。
私の副業は、空き時間にPCでチマチマ作業しているので、電気代などは計上してないです。
cocoさんのケースでは、本業から仕入れる(仕入れで計上する)ことになるのかな?
すみません、よくわかりません。
やはり特殊なケースなので、税務署に相談が一番です。
近頃のお役所は親切ですから、行ってみて下さいね。
始めまして。貴重なお話の共有、ありがとうございます。とても興味深く読ませていただきました。
私も専従者です。今年から専従者として勤務する以外の時間(具体的には早朝や夜間、または週末に数時間)の空き時間に翻訳などで副収入を得ているため、同じように税務署に相談に行ったところ「そもそもたとえ1日一時間でも他の仕事をしたら専ら従事しているとは言えず、専従者を外れないといけない」と言われてしまいました。副業は不定期で、仕事が全くない月もありますし、最大でも1日三時間しか働いていおらず、主人の仕事にも専ら従事しているので納得いきませんでした。所属している青色申告会でも、専従者の副業は認められないのでほかで働くなら専従者を外れ、自分で改行届けを出すこと、と言われました。(今の副業は今後も安定して継続するものなのかも不明なのに、です。)地域というか税理士の先生、税務官によるのかもしれませんが、こんなケースもあったとご報告させてください。
Mさん、貴重なお話をありがとうございます。
一日1時間でダメなんてビックリです。私的にはありえないです。
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/backnumber/journal/14/pdf/14_04.pdf
↑は国税庁のサイトに公開されている資料です。
所得税法の該当箇所が見つからなかったので、こちらを参考にしてください。
「専ら従事していると認められない」例として
「他に職業を有するもの」とありますが、但し書きが付いています。
「その職業に従事する時間が短いものその他当該事業に専ら従事することが妨げられないと認められる者を除く。」
このように、所得税法で明記されています。
もう一度、ぜひご自身でも調べてみてください。
青色専従者の副業が一切だめなんてことはありません。
副業している時間が大事だと、税理士さんのサイトもたくさん見つかります。
http://hiroraku.or.jp/book/pdf/rakunou1507_04.pdf